石川県金沢市出身の小説家・泉鏡花と東京生まれの樋口一葉。ライトノベル『浅草文豪あやかし草紙』(大橋崇行、2019年)には現代であやかしの謎を解く主人公として登場しますが、実際にはどのような関係だったのか…。
泉鏡花の方が惹かれていた?
泉鏡花は1873年(明治6年)11月生まれで1939年(昭和14年)9月に65歳で他界。樋口一葉は1872年(明治5年)5月に生まれて1896年(明治29年)11月に24歳で肺結核により若くして亡くなりました。
泉鏡花は尾崎紅葉に師事したことで知られますが、ツイッターによる文献を見ていると「紅葉先生の作品より一葉の『たけくらべ』」を高く評価していたという記述がありました。
また『夜行巡査』を樋口一葉が褒めていたと聞いて「嬉しかつたの何んの」と喜んだという回想録も。
さらにアメブロの個人ブログ『アリアドネの部屋』で2015年7月に掲載された「一葉と鏡花、鏡花の手紙から」では「鏡花が一葉に宛てた手紙」の内容を読み解いて「鏡花の研究者は知らず、一見してラブレターであることは明らかであろう」と評していました。
さらにさらに『文豪の死に様』(門賀美央子、2020年)にある「樋口一葉」のなかで「泉鏡花は生前に交流があった一葉にちょっとホの字だったらしい」と説いているのです。
5000円札の肖像より艶やかだったかも
『文豪の死に様』によると泉鏡花のみならず樋口一葉に魅了された文豪たちが彼女をアイドル視していたというから、5000円札に使われている姿はほんの一面にすぎないのかも。
明治期から昭和期にかけて浮世絵師・日本画家・随筆家として活躍した鏑木清方は樋口一葉文学に傾倒しており、泉鏡花の随筆『一葉の墓』に触発されて作品『一葉女史の墓』を描いたことは有名です。彼が描いた女性像は一葉の雰囲気を醸し出していると言えるのでは…。
泉鏡花記念館の情報
スポット名 | 泉鏡花記念館 |
所在地 | 石川県金沢市下新町2-3 |
電話番号 | 076-222-1025 |
HP | https://www.kanazawa-museum.jp/kyoka/ |
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