1月19日、第166回芥川賞と直木賞の発表がありましたね。
金沢市で大学生活を送った方のゆかりのある方の受賞は、やっぱり嬉しいのです。
3度めの候補入りで念願の受賞
米澤穂信さんは岐阜県出身の43歳。中学2年生の頃からオリジナル小説を書き始め、岐阜県立斐太高等学校を経て金沢大学文学部に進学しました。
大学2年生から、ネット小説サイト「汎夢殿」(はんむでん)を運営。WEB上で作品の発表を開始したんだって。(現在このサイトは閉鎖状態になっており、当時の作品を読むことはできません、残念。)
2014年の「満願」、2016年の「真実の10メートル前」がそれぞれ直木賞候補にノミネートされるも受賞ならず、3回目となる「黒牢城」で受賞となりました。
ちなみに、芥川賞の砂川文次さん、もうひとりの直木賞、今村翔吾さんの両名も、過去2回の候補入りを経て3回目での受賞となんだって。お三方とも、満を持しての受賞。本当におめでとうございます。
「黒牢城」=史実とミステリの融合。色んな角度で面白い。
受賞作の「黒牢城」は、2022年度の「このミステリーがすごい」の1位にも選ばれた評価の高い作品。
織田信長に背いて「有岡城」に立てこもった荒木村重が、翻意を促すためにやってきた黒田官兵衛を牢獄に幽閉した史実をベースにした小説。
この史実っていうのは、ちょっと調べると誰でもわかる内容なんだけど、籠城中の「有岡城」で事件が起こり、それを牢獄の中にいる黒田官兵衛が解決していくんだよね。
史実+ミステリの融合って感じ。
黒田官兵衛の安楽椅子探偵っぷりとか、戦国時代ならではのトリックもおお~!って感じなんだけど、米澤作品あるあるの「謎が解けた後、さらにもう一つの謎が解ける」っていう展開も面白さを深めてくれる。
(※安楽椅子探偵=室内から出ずに情報だけで推理して解決していく探偵のこと)
市内の書店にはさっそく特設コーナーも
受賞を祝し、市内の各書店では「黒牢城」のみならず、過去の作品も集めた特設コーナーが設けられてるから、興味のある人は手にとってみてね!
米澤作品が、4大ミステリーランキングを完全制覇した理由、きっとわかると思うなあ。